国土交通省の資料から感じられるもの2。
昨日の続編です。
平成22年4月9日に発表された
高速道路の再検証結
から、
2.新たな料金割引について
- 高速道路の新たな料金割引の基本方針
- 新たな料金割引の基本方針
- 導入効果
新たな料金割引は、法案成立後、今年6月中注)に試行的に導入し、平成22年度無料化社会実験を含め
た検証結果も踏まえ、平成23年度以降、必要な場合は見直しを行う。
注)首都高速・阪神高速は地方議会の議決を前提に年末〜年始を目途
- ・民営化時のコスト縮減による割引注)を廃止した上で、利便増進事業を活用しつつ、新たな上限料金を
- 試行的に導入。
- ・フェリーなど他の交通機関に配慮し、高速国道等より高い料金に設定。
- 軽自動車 普通車 中型車 大型車 特大車
- 上限料金(案) 2,000円 3,000円 5,000円 5,000円 10,000円
- 上限料金の水準について〔NEXCO、本四〕
- ・なお、上限料金制度は国・地方の出資を前提とし、出資期間である平成34年度までの設定とする。
- 注)障害者割引等を除く
- ※ 大都市近郊区間と地方部は別料金としない。
- ※ 複数会社を跨ぐ場合や均一料金区間を連続走行する場合はETCで合算
- ・なお、上限料金制度は国・地方の出資を前提とし、出資期間である平成34年度までの設定とする。
注)障害者割引等を除く
(page8)
(参考)上限料金水準の考え方〔NEXCO〕
2.新たな料金割引について
○ 新たな税負担を伴わない場合の最大の割引となるよう設定することとし
① 休日上限1,000円における課題を踏まえ、普通車は既存の休日料金よりも高い水準となる2,000円に設定
② 上限料金に到達する台数が普通車と大型車で同等になるよう大型車の上限料金を設定
③ 地球温暖化対策推進のため、軽自動車に配慮
- 軽自動車普通車大型車
上限料金 1,000円 2,000円 5,000円
上限到達台数割合 約30% 約20% 約20%
(page10)
まず、NEXCO関連から...
page10が民主党から国土交通省に出された仕様ですね。
「○ 新たな税負担を伴わない場合の最大の割引となるよう設定することとし」
高速道路会社の内部だけでこの料金が実現できるということですよね。
じゃ、これまでの料金は一体なんだったのでしょうか?
「① 休日上限1,000円における課題を踏まえ、普通車は既存の休日料金よりも高い水準となる2,000円に設定」
1,000円であれだけ混むけど、2,000円ならどうなのという実験ですね。
個人的には、混雑している時間帯は高速を使わないので、1,000円高速で継続的に酷い渋滞になったという記憶があまりないのですけれども....
おそらく、1,000円高速での実証データから、1,000円高速がなくても長距離を走行する車両の減収分と、
1,000円高速での新規利用者の増収分を計算して導き出した採算点なんでしょうね。
1,000円高速実施前後のETC車載器とカード情報や、料金所のカメラのナンバー画像認識による非ETC利用車の情報の利用実績変動から導き出されているのでしょう。
環境としては、これら利用者情報を測定できる環境(ハードウエア)は揃っていますからね。
あくまでも推測ですが....私が担当者でしたら、当然利用します。社会実験ですから....
「② 上限料金に到達する台数が普通車と大型車で同等になるよう大型車の上限料金を設定」
選挙対策の秋風ですね。
平成22年度に限定して激変緩和として措置する割引で
「② 大口・多頻度割引:大型車の約8割に適用されており、物流に配慮」page19に記載
国土交通省にさからうと痛い目に合うぞ....てなとこでしょうか?
「③ 地球温暖化対策推進のため、軽自動車に配慮」
でも、料金を上げたことが目立たないように、1,000円のコースも残しましたというポーズですね。
これまでプロービングしてきた軽自動車の利用実績から、影響が極小だと予測されるからでしょうね。
そして、マスコミではあまり触れていなかったのですが、page8に記載の
「※ 大都市近郊区間と地方部は別料金としない。」
「※ 複数会社を跨ぐ場合や均一料金区間を連続走行する場合はETCで合算」
これまでの大都市近郊区間が除外されていた1,000円高速が対象になっていなかったのが、対象になっているのと、複数会社を乗り繋いでも、ETCで合算されているのが変更点です。
これによって、都市部と地方部の高速道路を同じ距離走行する場合の料金の格差は無くなったことになります。
高速道路の走行に関しては差がないのですが、目的地への移動のための前後の一般道などの利用状況を含めて見ると、一般道の混雑状況など、都市間高速を利用しないと移動が厳しい都市部と、
高速道路を使わなくともある程度の速度で最短ルートを移動できる地方部の環境の差から、休日、夜間や通勤などの近距離割引が無くなる事(時間帯割引の激変緩和措置(page19に記載)もありますが)の影響は都市部ほど大きいのではないかと思います。
路線距離ベースと利用者ベース、利用者/路線距離の両パラメータで計算した数値の公表が欲しいところです。
地方部の方が短距離の場合の高速道路利用の利便性が低いということの裏返しでもありますけどね....
「・上限料金の水準は休日上限1,000円による渋滞状況や高速道路の利用状況、国民へのわかりやすさを考慮して設定。」
高速料金が高いという感覚は、上限金額に対してではなく、初期料金や料率自体に関しても多くの人が感じているのではないかと思います。
実験なのでどうなるのか分かりませんが、大型車の上限を取り払うことを行って、これまでロードプライシングのように機能していた早朝深夜の割引を停止するという冒険に出ているように見受けられます。
すいません、本州四国連絡高速道路については、勉強不足であまり分からない状態です。
本州四国連絡高速道路の構造からみて、ランニングコストや寿命が来た際の架替の費用って、どんな感じで見積もられているのでしょうか?
台風や地震などの被害も想定しているのでしょうが、意外と船舶で運用した方が安かったなんてことはないですよね?
バックアップとしてのコストとして、船舶を残す必要があるけれども、莫大な建造費やランニングコストが掛かっているために、政治的に台風や地震などの被害や架替の話は表に出せないのかもしれませんね。
あることが当たり前になると、無くなった際のダメージが大きいですからね。
--------- 以下は もうしばらくお待ち下さい
「上限料金の水準について〔首都高速・阪神高速〕」、「エコカー(次世代自動車)割引の対象車両」についてはまた今度....
これも突っ込みたいところがいっぱいある....